- 2016-5-13
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【肩こり腰痛】N0.44 運動療法の目的と種類について
運動療法にはどのような目的と種類がある?
腰痛の予防や痛みの緩和などを目的としたエクササイズ(運動・体操)には、ストレッチ・○○体操・○○運動・○○トレーニングなどさまざまな言葉が混交して使われている傾向があります。「運動療法」は、ほとんどの病気に対して理学的評価に基づいてその病気回復のために有効とされる運動をいいますので、例えば、ストレッチという言葉が使われていても医科学的に効果があると評価されていれば、運動療法ということができます。
■運動療法とは?
運動療法は、スポーツや事故あるいは病気などで身体に障害が出た場合に、その機能回復を図るとともに、よりよい状態を維持することを目的として身体の運動を科学的に適用する治療方法をいいます。
運動能力の障害は、筋骨格系、神経系や内臓器官の不調・不全などさまざまな原因で起きますので、医学や運動療法学などを理論のバックボーンとして、その回復・維持に効果があると認められる「運動」を治療に応用するものです。
■運動療法の目的は?
運動療法の目的には、「変形の矯正をする」「関節機能の改善を図る」「筋力を増大させる」「筋肉と運動器官が共同作用するようにする」「筋力の耐久力を高める」「運動のスピードを高める」などがあります。
■運動療法の種類
運動療法の種類には次のようなものがあります。
①関節可動域運動
・関節の動きを良くしたり、こわばったりするのを防ぐ目的で行われます。具体的には患者が自分で上肢や下肢を動かすことができるように、理学療法士が介助しながら行う運動療法です。
②筋力増強運動
・筋力をより強くするために抵抗力を利用する負荷をかけるもので、負荷のかけ方は理学療法士が徒手で行うものと、機械やおもりを使って行う2種類があります。
③筋持久力増強運動
・患者が手術や療養などで長期間寝たきりの状態だと体力が相当低下しますので、徐々に体力を回復させる目的で行われる運動療法です。高齢者や虚弱者の場合は、座位時間の延長から始めて、歩行できるようになったらその距離を延ばしていくことで持久力を強化していきます。ウォーキング・ジョギング・水泳・自転車などが可能であれば、自宅で一人で行っても効果を期待できます。
④協調性運動
・患者が個々の筋を随意的にコントロールしたり、多数の筋による円滑運動ができることを目的とした運動療法です。脳血管障害・脳外傷など中枢神経に障害がある患者を対象に行われます。
⑤平衡運動
・バランスを取る力を鍛える運動療法です。片足立ちや四つんばいになって、左右反対の組み合わせで手足を伸ばすことにより体幹のバランス感覚を訓練するなどの方法が取り入れられたりします。
⑥全身持久力運動
・長時間体を動かすことができる能力を運動により会得することを目的とした運動療法です。持続トレーニングとインターバル・トレーニングがあります。持続トレーニングは一定の負荷をかけて長時間走り続けるもの、インターバル・トレーニングは、高い負荷と低い負荷を交互に繰り返すものです。