- 2016-4-28
- ぎっくり腰
重いものを持ち上げたときに「グキッ」そんな経験はありませんか?
多くの人々を悩ませるぎっくり腰。どんな疾患かあなたはご存知ですか?
ぎっくり腰について理解を深めていきましょう。
今回は、ぎっくり腰という病態、治療法について解説します。
●そもそも、腰痛とは
腰痛、医学的には腰痛症と呼ばれています。
明らかな異常所見が画像診断や血液検査で認められない正体のはっきりしない腰の痛みを一括して腰痛症と呼びます。
誰もが一生のうちに何回かは経験する症状であり、一生のうちに一度は腰痛症を経験する方が80%以上と推測されています。
腰痛症の中でも、どのように発生したかで大きく2種類に分けられます。
急激に腰痛が起こるものを急性腰痛症、長期間(3か月以上)痛みがじわじわ続くものを慢性腰痛症といいます。
ほとんどの急性腰痛症は6週間以内に治癒しますが、中には治癒せずに慢性腰痛症へ移行する場合もあります。
●ぎっくり腰とは
ぎっくり腰とは、急性腰痛症の俗称で、地域によっては「びっくり腰」とも呼ばれています。
また、海外では突然強い痛みが襲ってくることから「魔女の一撃」とも呼ばれています。
重いものを持ち上げたときや不用意に体を捻じったときなどに発症します。
動けないほどの激痛から始まり徐々に痛みが和らいでいくのが特徴です。
●具体的に何が起こっているのか
ぎっくり腰の原因は様々ですが、以下のものが含まれてる場合が多くみられます。
1 背骨の関節の間に滑膜という関節の膜が挟まる
2 背骨の関節の捻挫
3 背骨の一部の微細な骨折
4 背骨を繋ぐ靭帯の部分的な断裂
5 背中や腰の筋肉の断裂、筋膜の炎症
6 椎間板ヘルニアの発症
原因としては1が多く見られますが、いくつか複合している場合もあります。
動けないほどの激痛は、これらの原因が神経を圧迫、刺激しているために起こります。
正確なことは病院で診察してもらいましょう。
●治療をするには
まずは安静にすることです。目安としては2~3日、なんとか動けるようになるまでは安静にしていましょう。
病院を受診し、コルセットを処方してもらうこと、ブロック注射を打ってもらうことも有効です。
コルセットは腰周囲の動きを制限するため安静・固定のサポートになります。
普通の腰痛では温めが有効ですが、ぎっくり腰の場合、痛めてすぐに温めると、かえって悪化させることが多いです。
まずは冷湿布などで冷却し、2~3日経過して痛みが和らいできてから温めましょう。
また、痛みが少し和らいできたところで病院での牽引治療も有効です。
突然やってくるぎっくり腰。その多くは、ちゃんと原因があるものです。
原因を回避しながら生活できるのが理想ですね。