- 2016-5-13
- 脊柱管狭窄症
【肩こり腰痛】N0.35 脊柱管狭窄症の治療について
脊柱管狭窄症はどのような治療が行われる?
脊柱管狭窄症には、頚部脊柱管・腰部脊柱管・広範脊柱管の3種類の狭窄症がありますが治療はそれぞれ同じように、初めに薬物療法・理学療法・運動療法・神経ブロックなどの保存的療法が行われ、必要と判断されたら手術に移行するのが一般的です。
■脊柱管狭窄症で行われる保存的療法
○薬物療法
患部の炎症を鎮め痛みを取ることを目的に内服用の「消炎鎮痛薬」が使われたり、湿布剤(温湿布・冷湿布)や塗り薬などの外用薬が使われます。その他に、痛いと筋肉が緊張して痛みが増すことがありますので、筋弛緩薬が投与されたり、末梢神経障害の改善を目的にビタミンB12、血管の流れを良くするプロスタグランジンE1製剤などが投与されることもあります。
○理学療法
症状の改善を目的としてマイクロ波などを使ったホットパック療法、脊椎周囲の神経が圧迫されて起こる痺れなどを緩和する牽引療法、血液循環の改善を目的とした超音波療法など器具を使った理学療法と人の手によるマッサージ療法などがあります。
○運動療法
骨は筋肉や靭帯で支えられていますので、筋肉を鍛えることで痛みを軽減したり、再発を防止する目的があります。腹筋やお尻の筋肉である大殿筋を鍛える運動およびインナーマッスルと呼ばれる腸腰筋(腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉)を鍛える運動があります。逆効果にならないために、いずれの運動も最初は医師や理学療法士の指導を受ける必要があります。
○神経ブロック療法
薬物療法などを行っても強い痛みが継続する場合に、痛みを発生させている神経部位などに注射などを使って軽い麻酔薬を注入し痛みを抑える方法です。
硬膜外ブロックと神経根ブロックの2つがあり、硬膜外ブロックは脊柱管内にある硬膜の外に注入する方法、神経根ブロックは神経根に直接注入する方法です。麻酔薬を注入しても痛みが止まらない時はその部位が原因ではないということになりますので、神経ブロックは検査目的で使われることもあります。
■脊柱管狭窄症の手術
保存的療法を続けても効果が現れない、あるいは排尿・排便が困難など緊急性がある時は治療方針として手術が選択され、患者に勧められます。
手術は専門医や医療機関で採用している方式などがありますので画一的ではありませんが例えば、椎間関節をつなげている椎弓を部分的に削ったり全部取ってしまったり、神経の圧迫を除去するために骨や肥厚した靭帯を削り取るなどの方法が取られています。
腰椎が安定を欠く場合は、脊椎固定術が取られるようです。この場合は、本人の骨盤から取った骨を腰椎に移植して金属で固定する方法やチタン製材を使って腰椎を補強する方法などがあります。
また、狭窄の部位が少なければ、内視鏡で行う方法(MEL法)もあります。