- 2016-5-12
- ぎっくり腰
【肩こり腰痛】N0.9 ぎっくり腰と湿布剤について
湿布剤はぎっくり腰に効果がある?
初めてぎっくり腰になってしまった人が、痛みを取るために市販の湿布剤を使っても大丈夫なのか悩む人が多いようです。効果があることは確認されていますが、その効用や使用上で注意すべきことがあります。
■湿布剤の種類
市販されている湿布剤は、大別して「温湿布用」と「冷湿布用」の2つがあります。温湿布剤と冷湿布剤は次のように作用が異なります。
○温湿布剤の効用
温湿布剤は皮膚に貼ると温かい感じがするタイプの湿布剤です。ほとんどの温湿布剤は患部に貼るとその部分の血管を拡張する作用を持ちます。血管を拡張することにより血液の流れを増加させ、必要とされる酸素や栄養素を供給し、古くなった細胞を取り除きます。温めることで筋肉の痙攣を減少させ、緊張した筋肉をリラックスさせ痛みを緩和するとともに動作の稼働域を広げる効果が期待できます。
○冷湿布剤の効用
冷湿布剤は、血管を収縮する作用があります。血管を収縮させることで温湿布剤とは逆に血液の循環を遅くすることで炎症や緊張した筋肉あるいは痛みを緩和します。
■ぎっくり腰への効果
上記のように、「温湿布剤」「冷湿布剤」は正反対な作用がありますが、両方ともぎっくり腰に効果があるとされています。米国では、ぎっくり腰になった場合は、氷で冷やすか温湿布剤などで温めるか、どちらでも本人が気持ちよく感じるほうを使うことを勧めていますが、日本の場合は、ぎっくり腰が発生した当初は患部に炎症を起こしている可能性が強いので「冷湿布剤」を先に使うほうが良いという意見が多数です。湿布剤のメーカーも急性期は冷湿布剤、慢性期に入ったら温湿布剤を使用することを表示しているものが多いようです。
■湿布剤使用上の注意点
冷湿布剤には、消炎・鎮痛作用のあるカンフルやサリチル酸メチル、あるいは冷たい感覚を与えて痛みを和らげるメントールなどの成分が使われています。また、痛み物質の産生を抑制する作用をもつ非ステロイド系のインドメタシンやケトプロフェルあるいはフェルビナギクなどの成分を含む商品も第2世代製品として出回っています。
一方、温湿布剤には、トウガラシエキス、合成トウガラシのノニル酸ワニリルアミドやニコチン酸エステルなどの皮膚に温感を与える成分が含まれています。
中には、これらの成分に過敏だったり、アレルギーを持つ人がいるかもしれませんので、購入する際に薬剤師に相談してください。特に第2世代の非ステロイド系の抗炎症剤製品は、妊娠中の女性や消化性潰瘍、重い血液障害、肝・腎疾患、心不全あるいは膵炎の罹患者は禁忌となっていますので十分気をつける必要があります。