- 2016-5-13
- 腰椎分離症
【肩こり腰痛】N0.26 腰椎分離症とその原因について
腰椎分離症はどのような病気で発症原因は何でしょうか?
腰椎分離症は、その名前が表しているように、背中側にある椎骨関節が亀裂や骨折により腹部側にある椎体との連絡性がなくなっている状態になり起きる症状をいいます。発症原因には、先天的な要因と後天的な要因が指摘されています。
■腰椎分離症とは
腰椎は5つの椎骨で構成されていますが、腹部側の椎骨と背中側の椎骨は、腹部側が椎間板、背中側は椎間関節によってつながっておりバランスが保たれています。
しかし、遺伝等による先天的な理由で骨格形成に障害が出たり、スポーツ等で何らかの圧力が椎間関節にかかると、そのジョイント部分である椎弓と呼ばれる部位が疲労骨折を起こして分離してしまう症状を腰椎分離症といいます。分離部位が左右のどちらか半分で若いときであれば、筋肉や靭帯がしっかりしていますので腰痛などの症状が出ずに気付かないで終わってしまうことが多いです。
左右とも分離してしまうと、腹部側と背中側の椎骨間の連結性が損なわれますので、分離した当時は症状がでなくても、中高年になって「腰椎分離すべり症」などを発症することがあります。
■腰椎分離症が起こる原因
後天的な腰椎分離症はスポーツで生じることが多く、体を極端に反らしたり旋回するスポーツであるバレー・野球・バドミントン・テニス・バレーボール・フィギュアスケートなどで多発しています。一般の人で腰椎分離症になるのは5%程度ですが、スポーツ選手では30~40%に上ります。
スポーツによる腰椎分離症は小学校の低学年から高学年までの年代で多発しているといいますので、子どもさんが「腰が痛い」と訴えたときは、早めに医療機関で受診することをお勧めします。
分離症が起こる原因は、スポーツトレーニングや試合などで、背中側の椎骨のジョイント部分などが繰り返し圧迫されるなどにより疲労骨折を起こすことによります。ジャンプや腰の旋回運動、反る運動などが継続的に続けられることで次第に背中側の椎骨に疲労が起き、亀裂や折れたりします。特に旋回運動はジョイント部分への圧迫が加わりやすいといわれています。
腰痛を経験したことがない人を対象としてCTを使って行った調査では、男性で3~4%、女性で1~4%の人が分離症の所見があったといいますから、分離症になっても必ずしも腰痛になるわけではないことが分かります。特に青少年期は腰椎分離を起こしても、筋肉や靭帯がしっかりしていますので腰痛にならないで気付かずに中高年になって、「腰椎分離すべり症」と診断されるケースがあります。